エインズレイ ファクトリーレポート

イギリス工場製造工程

Machine Casting 機械成型

エインズレイのマシン成型とは、完全オートメーションの機械生産とは違い、専門職人がマシンを調整しながら制作していく技法のことです。

ホテルやレストランでキッチンとテーブルの間を何往復とする業務用を主目的とした食器の制作時に用いられる技法です。

前回のお話の手彫り鋳型成型での制作が全体の95%を占めますので、このマシン成型は僅か5%にしかなりません。
しかし、現代のエイズレイには無くてはならいない技法のひとつとなっています。

手彫り成型の商品は、サイズや形状にひとつひとつの違いがある事がオンリーワンの価値を生み出しております。
しかし、業務用の食器の場合、ご家庭とは比較にならない数量の収納や洗浄のため、より均一であり、尚且つ耐久性が求められます。
そこで、パーツ同士の接合箇所も少なくなるように工夫されています。

Roller Making ローラー成型(プレートやソーサーなど)

プレートやソーサーはローラーヘッドマシン(回転成形機)で、厚さが3〜5cm位になるように削っていきます。
まずは、プラスティッククレイをローラーヘッドの台座に適量置いていきます。

そして、カッティング。専門職人がマシンを調整しながら均等な厚さになるようにスライスをしていきます。

この製法でも、職人の技術次第で厚さが均等になりません。
そこで、昨今の完全オートメーションで大量生産をおこなう工場では、圧縮成型機が多く使用される事が多いようです。

Cup Making カップ成型

プラスティッククレイをブロック鋳型に入れ、カップ成型マシンで圧縮して形状を整えていきます。

そして、職人がマシンを調整しながら、フット(袴)を正確なサイズにカットしていきます。

Hight Pressure Casting 高圧キャスティング

こちらは、サンドイッチトレイなど、変形のプレートを作る際に使用されている技法です。
凹凸2枚の手堀りをした鋳型をプレス鋳型に組み込みます。

そして、高圧をかけながら圧縮して水分を絞り出していきます。

マシンに取り付ける鋳型凹凸両面ともに、20枚の制作毎に新しいものに取り換えられるんですよ。

ご参考までに、サンドイッチトレイの伝統的な製法は、5枚成型という手法がとられています。
底の部分と4枚のウイングの計5個のパーツを手掘り鋳型で成型。その上で、各パーツをグルーで接合させます。
この製法は平らで非常に美しいプレートができあがります。
その反面、パーツの接合箇所が多く、耐久性としては劣ります。

ご家庭で皆様の食卓を華やかにしてくれる商品とは異なり、ホテルやレストランなどでの特別な使用頻度に耐えうる商品作りのため、 このマシン成型も全体の5%と僅かではありますが、今ではなくてはならないエインズレイの技術の一部となっています。

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目次
  • 01イギリスの陶磁器の街。ストーク・オン・トレント
  • 02エインズレイとファクトリーショップ
  • 03イギリス工場 製造工程
  • 04イギリススタッフ紹介
  • 05エインズレイ家7代目。マイケル・エインズレイのお宅へ
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