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エインズレイ ファクトリーレポート

イギリス工場製造工程

On-Glaze Decoration デコレーション〜 その二 霧吹き Aerograhing

こちらの章では、エインズレイを代表する伝統技法の一つ、霧吹き(Aerographing)の説明をさせていただきます。

霧吹き Aerographing

この技法は、初代ジョン・エインズレイがボーンチャイナ開発に成功する前の陶器、 若しくはパリアンチャイナ(黄色味がかった磁器)を素地として使用していた頃に開発した技法です。

当時、中国や日本、若しくはヨーローパ大陸の磁器のような白磁の美しさを出すことができませんでした。
そこで、頻繁に行われたのが、素地全体に色を塗布する事でした。

そんな中、初代ジョン・エインズレイが霧吹き技法を発見します。
霧吹き器のような道具で、釉薬を吹きかける技法です。
こうすると塗りにムラができます。簡単に言うと、均一の厚さで塗布できない状態を、敢えて作ります。

綺麗に塗れない状態を作ったのですね。
しかし、これが刷毛塗りとは違う温かみのある味わいを生み出すことになりました。

今でもこの霧吹きで塗布されています。
違うのは、手動から電動の霧吹き器になったということだけです。

この技法は、200年以上代々と職人から職人へと技が伝授されてきました。
現代から見ると非常に効率の悪くも思える技法も伝統としてそのまま受け継がれてきているんです。

こちらをご覧ください。

まずは、全体に釉薬を塗布してしまうんです。
そして、乾燥させます。

取手(ハンドル)や、袴(フット、スカート)まで釉薬が塗られていますよね。

不要な箇所は布や刷毛を使って磨いていきます。

拭き取った状態がこちらです。

釉薬塗布の不要な箇所は最初から紙を貼ったり、何か塗料を塗っておいてから、釉薬の吹きかけを行えば効率も良くなると思うのですが、 この一見無駄に見える作業、これが伝統なのです。
便利な手法が開発されても、敢えて無駄な伝統工程を守り抜く。
先駆者の開発した技法を守り抜くという伝統は、現代のエインズレイの職人の中にも脈々と受け継がれてきています。

この完全手作業を継承しているがため、一つ一つのアイテム毎、釉薬塗布の位置というより拭き取られた位置が違っていたり、拭き漏れ色が残っていたり....と、 手作りの伝統を感じる味わいとなっているのです。

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目次
  • 01イギリスの陶磁器の街。ストーク・オン・トレント
  • 02エインズレイとファクトリーショップ
  • 03イギリス工場 製造工程
  • 04イギリススタッフ紹介
  • 05エインズレイ家7代目。マイケル・エインズレイのお宅へ
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