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S*STYLE TEA 京都校講師 ティーライフスタイリスト  砂川愛子さん
第2回 「イギリス人はChocoholic??」

イギリスのお菓子と聞いて思い浮かぶのは?

スコーン、ショートブレッド、クランブル、トライフル、ビクトリアサンドイッチにプディング…
どれもこれもイギリスのお菓子は小麦粉を使ったお菓子ばかり!?
粉もん(小麦粉を使った食べ物)好きの関西人の私は、イギリスに行くまでは
イギリスの人達もよほどの粉もん好きだろうと勝手に親近感を抱いていました。

しかしイギリスのスーパーに行ってそのイメージは一変!
スーパーにはずらりと並んだチョコレートの棚・棚・棚。もちろんビスケットやショートブレッドなど
チョコレート以外のお菓子もたくさんありましたが、大量に並んだチョコレートがとても印象に残りました。

後日イギリスの友人に聞いたところ、
“確かに小麦粉を使ったお菓子はよく食べるけれどチョコレートも結構食べるよ”と。
友人いわくお茶の時間には紅茶に合うビスケット類、夕食後のカフェタイムには
チョコレートといった感じで食べるそうです。
またスーパーにはConfectioneryとChocolateの棚があり、
普段食べるチョコレート菓子と 箱入りチョコレートを棚を分けて販売しているのだそう。
友達の家に遊びに行く時のちょっとした手土産にはたいてい箱入りチョコレートを持参するというのも
それだけチョコレートが良く食べられ誰にでも喜ばれるお土産ということなのでしょう。

そこで、イギリスでチョコレートがどれくらい愛されているのか調べてみました。
2012年のチョコレートの売上げはイギリスの菓子市場の売上げの7割ほどを占め、
国内消費量は約50万トン。
1年間に1人あたり約9キロのチョコレートを消費しています。
日本人の消費量が1年間に1人あたり約2キロなので、なんと私たちの4倍以上
チョコレートを食べていることになるのです。

大航海時代にアメリカ大陸からスペイン人が持ち帰ったカカオは、
飲料としてスペイン上流階級で流行します。
高価で美味なチョコレートはその後1世紀ほどの時間をかけてヨーロッパ各地に伝わり、
イギリスには初めはチョコレート飲料として17世紀にコーヒーや紅茶とともに伝わります。

ロンドンではコーヒーハウスやチョコレートハウスといった社交場が開店し、
チョコレートは茶やコーヒー、軽食と共に提供されました。
しかし、高価で一握りの人しか飲めないチョコレートは茶の流行とともに次第に衰退していきます。
そして19世紀になりイギリスで固形のチョコレートが開発されます。高価なチョコレート飲料に代わり
一般の人々の手に届く固形のチョコレートが生産されるようになったのです。

そして現代、イギリスで愛されているのはキャドバリー・デイリーミルクに代表される
ミルクの含有率の高い甘いチョコレートバー。
甘いチョコレートでコーティングしたダイジェスティブビスケットは大定番。
ビスケットの土台にとろけるように柔らかいマシュマロをのせミルクチョコレートでコーティングした
ティーケーキと呼ばれるお菓子や同じくミルクチョコレートでコーティングされたキャラメルウエハース。
それから忘れてはならないのがジャッファケーキ。やわらかいビスケットの上にオレンジゼリーをのせて
ビターチョコレートでコーティングしたビスケットは大人も子どもも大好きなお菓子だそう。

チョコレートはコーヒーと合うイメージなのに、なぜ紅茶の国イギリスで??と思われるかもしれません。
確かにイギリスでもビターなチョコレートは食後などにコーヒーと食べる事が多いそうです。

でもちょっと想像してみてください。
先述したイギリスでポピュラーなミルク含有率の高いあまーいチョコレートバーや、
ミルクチョコレートでコーティングした激甘濃厚なビスケット類は、
濃い目に淹れたミルクティーと一緒に食べるととっても美味しそうだと思いませんか?

紅茶が大好きなイギリス人の好きなチョコレートは、やはり紅茶に合うチョコレートなのです。
お気に入りのカップでいただく紅茶と紅茶に合うチョコレート菓子、これ以上の幸せはありませんね。
2015年も、皆様にとって幸せいっぱいの一年でありますように☆

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