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Cha Tea 紅茶教室 代表 立川 碧さん
第6回 「アンティーク画の中のティータイム〜朝食編」

こんにちは。Cha Tea 紅茶教室代表の立川です。
6回目になるこちらのコラムでは、英国の紅茶文化に欠かせない「朝食時」の紅茶についてご紹介をさせていただきます。

「英国で美味しいものを食べたいならば、1日3度朝食を食べるといい」・・・
ヴィクトリア朝ではそんな言葉が囁かれたそうですが、現在の英国の食事情は昔と異なり、格段に向上していますので、
実際には朝食に頼らずとも快適な英国ライフが送れるのですが、
「英国=立派な朝食」のイメージを持つ方は今でも多いかもしれません。


【1】朝食時の祈り・・・1842年版

英国で朝食が特別なものとされるようになったのは18世紀とされています。
流行のお茶とバター付きパンを寝室でいただくことが上流階級の間でブームになり、中産階級の憧れとなったのです。
当時、中産階級が好んで購読していたスペクテーターという日刊紙のターゲット層は
「朝食時にお茶を飲んでいるファッショナブルな家庭」だったというのでその影響が伺えます。

英国の朝食が現在のようなボリュームたっぷりのスタイルになったのは、ヴィクトリア朝に入ってから。
当時の料理研究家ミセスビートンが編集した家政本には「ブレックファストとは(栄養などが)完璧な食事のこと」
と説明されています。
その内容は、冷製の肉や鳥、暖かい肉料理、塩漬けの豚、パイ、暖かい魚料理、腎臓、ソーセージ、
ベーコン、トマト、卵、マフィン、トースト、マーマレード、バター、エトセトラ・・・エトセトラ・・・・と書かれています。
卵は1人2個が基本とされていたそうですよ。


【2】朝食時に揃えるべき食器一覧
Mrs.Beeton's Book of Household Management 1888年版

20世紀に入り、人々のライフスタイルが更に多様化し、朝早く家を出て仕事をする人が増えると、
この豪華な食事を朝からゆっくり食べている暇はないと、朝食の整理が必要になりました。
国王ジョージ5世の妻メアリは、質素倹約で知られていたため、宮廷内の朝食の積極的な改革に乗り出します。
これまでの朝食は、「無駄な8コースの朝食」だとし、今日のブレックファストの基本となるものを新規に定めたのです。

その内容は、ベーコンやソーセージを焼いた物、卵焼きやスクランブルエッグ、ベイクドマッシュルームやトマト、
羊の燻製やにしんの燻製などの盛り合わせ、場合によってはヨーグルトやフルーツ。
そしてパンは前もってカリカリに焼いておいた薄焼きトーストやマフィン、バンズ。
飲み物は紅茶とジュースでした。
王室の提案したこの朝食スタイルは上流階級者に浸透し、更に一般市民にも普及しました。


【3】ティーアーンやトーストラックなど英国の食卓らしいアイテムも活躍しています
The Graphic 1886年7月31日

しかし現在では、日本と同じ、更に社会が多様化され、忙しくて朝食を食べる時間がない、
朝からそんなに重いものは食べられない、さまざまな事情から朝食を抜きにする人が増えています。
それでも旅先などでは、伝統的な朝食をいただく人も多く、特別な日の楽しみともなっています。

そんな英国の伝統的な朝食。
日本でも楽しんでみたい・・・とのリクエストにお応えして。
2月、Cha Tea 紅茶教室では、エインズレイ社とコラボレートイベントで、この朝食を再現するイベントを試みました。
題して「エインズレイで楽しむ英国のティータイム〜伝統のイングリッシュブレックファスト」。

前半1時間、英国の朝食の歴史や現在の朝食事情について画像を見ながらお勉強〜・・・と言う名の、楽しいお喋りを。
そして朝食時に楽しみたい紅茶5種類を飲み比べ。
最後はボリュームのある朝食をエインズレイのティーウェアで・・・ という盛り沢山なイベントとなりました。

当日の食器は春を少し先取りしたエインズレイ社のチェリー&ブロッサム。
ティーカップ&ソーサー、ブレッド&バタープレート、ティーポット、クリーマー・・・
全てお揃いの食器が並ぶと・・・圧巻!
皆さま食べる前の写真撮影に夢中、大撮影大会になりました。


【4】お揃いのティーセットで楽しむ伝統的な英国の朝食にみんな大興奮!

イングリッシュソーセージ、ブラッグプディング、ベーコン、ベイクドビーンズ、トマト、マッシュルーム、
オレンジジュース、そして濃厚なミルクティー。
洋食器好き、英国好き・・・共通点がある参加者の皆さまですので、
ティータイムにはすっかり打ち解けて、お喋りも大盛り上がり。
楽しく濃厚な2時間のイベントとなりました。

こちらのイベントでは、テーマを変えてエインズレイのテーブルウェアと
英国の伝統的な食を楽しんでいきます。
次回の開催は4月27日(水)!テーマは英国人のソウルフードとも言われる「クランペット」。
どんな楽しいティータイムが待っているのか・・・ご期待下さい。
イベントの詳細は、こちらをご覧下さい。
お一人参加ももちろんOK。皆さまとお会い出来るのを楽しみにしています。

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