カップに残った茶殻の形、それは見方によってさまざまな形に見えるの
です。イギリスでは茶葉を茶こしで濾さないで、そのままカップに注ぎ、
飲み終わった後で、カップの底に残った茶殻で「紅茶占い」をしました。
その方法とは、まず、茶葉が入ったカップの紅茶を、心をリラックスさせて
ゆっくり飲む。最後にほんの少しだけ、ティースプーンで半分くらい残し
ます。カップを左手で持って、時計と反対方向に3回まわす。そして、
カップを受け皿に伏せて、底をとんとんと3回たたく。これで準備は整い
ます。
カップを見ると茶殻が付いて、いろいろな形に見えます。動物、魚、鳥、
木、花、星、月、船、錨、台所の器具、道具類、幾何学模様、その数は
数百種類です。
子供たちはどきどきしながら母親やお婆さんに聞くのです。
「どうかしら ?」
「うーん、いいわね〜、幸運よ」
「いや、今回はちょっと見合わせましょう、タイミングが悪いわ」
そんな話を年配者の経験や忠告と一緒に神妙に聞いたのです。
ティーカップはとても重要なものです。紅茶占いをしなくても、ソーサーと
カップに描かれた美しい絵は、人の心を和ませ、季節を感じさせ、注がれた紅茶を一段とおいしく感じさせてくれます。
エインズレイのバイオレットシリーズ 「アセンズ」を見てください。ソーサーは初夏を感じさせる淡い紫色、白地のティーカップには、すみれの花束が描かれ、
中に美しい蝶が舞っています。
紅茶占いをした時、花の模様ができたら、それは愛情、名誉、尊敬を
表します。
そして、蝶は幸福。
幸せをもたらせるティーカップで初夏の紅茶はいかがですか。