第1回 「紅茶の香り 」

 紅茶の香りを分析すると、バラ、スミレ、スズランの花をブーケにした
フラワリーな 香りが含まれています。新鮮な紅茶をティーポットに入れて
熱湯を注ぐ、こんな簡単なことですが、実はこの熱湯がティーポットの
中で、茶葉を開かせバラやスミレの香りを作り出すのです。
 紅茶の香りを引き出し、透明な水色と快い渋みを持った味、これが紅茶の味と 香り、水色の三大要素です。三拍子揃ったおいしい紅茶をいれる
コツは、新鮮な酸素をたっぷり含んだ水を強火で沸かすことです。しかも
多めの水が必要で、一度に2リッターほど入れて沸かします。すると水中の酸素が失われにくいのです。
 熱湯の中に残っている酸素が茶葉の表面に細かい泡となって付着し、
その浮力でティーポットの上部に浮かびあがります。やがて泡は水中に
溶け、泡の隙間から熱湯が茶葉に染み込んで紅茶のカテキンを抽出します。これが味、香り、赤い水色 を作り出すのです。
 茶葉は水分を含み、その重みで沈みますが、また熱対流でふわふわと浮かび上がり ます。このポットの中での上下運動をジャンピングと呼んでいます。

エインズレイのイングリッシュバイオレットのティーポットを見てください。
丸型で対流が起こりやすく、ジャンピングにとても適しています。スミレの花のデザインが、 紅茶の香りをそのまま表しています。
 ティーポットで本物の紅茶の香りを作り出したら、バイオレットのティー
カップで味わってください。四月は紅茶の新茶の季節、ダージリン、
アッサム、キーマン、スリランカではディンブラやヌワラエリヤのクオリティーシーズンティーが丁度日本に到着する頃です。

今回の磯淵 猛さん おすすめアイテム

・イングリッシュバイオレット ティーポット (1100ml)

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